雅史

作詞曲 宮村 克彦

1 八幡様から見下ろせば 家並みの向こうに前島
君が愛し愛された 青い海が見える
春夏秋冬と 幾つの季節を真面目に過ごしたか
雅史と言う名の男が 雅史の夢を見ていた
梅雨上がりの大崎鼻で 海の宝に魅せられた
自然だったね 無邪気な幼き日々
遠くに見えるは 嵩の山

2 十八の時思い当たることがあり 学生になった
俺にはこれしかないんだと 故郷を後にした
君が送ってくれたカセットセープ それは海の若大将
港で夜風に吹かれ 星空みていたね
恋人さえ口にせずに 君は笑顔で酒を酌む
思い詰めた あこがれ青春時代
遠く見えるは 漁り火か

3 昇る朝陽と潮風 海鳥達が舞う日本海
港に帰る船の音で にぎわう町に住んだ
人と生き物は同じだと 雅史は熱っぽく語ってた
小さな命を育て 時の流れを嘆いた
光る膚と太い指が 君と夢の旅の証しさ
いついつまでも 君らしく優しく
遠くで手を振る 未来達

    ( 間 奏 )

4 大島大橋が見える 漁業センターで再出発
小さな命を育て 瀬戸の海に放った
仕事は楽じゃない 世間甘くない 止まれば後がない 走るだけ
海の男の気性で 今の時代を駆け抜けた
前を向いて 体張って
仕事場・家族を 守り続け
夢と運命(さだめ) 還暦を過ぎても
幼い心が 光っている

(解説)
 「お前は歌が下手だ。」と高校生の頃から言われ続け極力ヴォーカルは避けてきましたが、最近、上手下手は抜きにして、もっと楽しく音楽をしたい思い始め、歌う決心をしました。今までは、作曲とギターを中心とした演奏だけと決め込んでいました。この「雅史」を歌うことでヴォーカルに劣等感を持たないようにと解禁をしました。お聞き苦しい点がありましたらお許しください。もともと声質がよくないので、それをカバーする意味において、感情表現を前面に出してこれから歌の練習もしていきたいと思います。どこまで上手くなるか、チャレンジです。
さて、私と雅史君との縁ですが、同級生として小学校3年生から続いており、あれこれ50年以上になります。彼とは小中学校の頃、魚釣りやこの曲の歌詞の中に出てくる大崎鼻でのサザエ取りに行きました。彼は、少年時代から人一倍、海が好きでした。現在、彼は、柳井港の栽培漁業センターでの仕事を定年退職して、再任雇用で勤めるかたわら周防大島の「なぎさ水族館」で仕事をしています。柳井港の栽培漁業センターでは、ヒラメや車エビの稚魚を育て海に放流をしていました。年末には、活き車エビの販売をして、栽培漁業センターの運営資金を稼ぎ出し、職場を守ってきました。栽培業業センターで海の資源を守るために労を尽くしました。
彼の小学校6年生の時のエピソードを紹介しましょう。海魚のベラ(ギザミ)を川魚に変える実験・観察をしました。水槽に海水を入れ、エアーポンプで酸素を送ります。毎日、水槽の海水をコップ一杯ほど捨て、家の前に流れている川の水をコップ一杯注ぎこみます。水槽の中を泳いでいるベラは、毎日薄くなっていく海水にだんだん慣れていきます。1ヶ月もすると水槽は完全な真水になってしまいます。雅史君の実験で、私が子どもの時、水槽に手を入れ指を舐めてみた記憶があります。完全に真水になっており、その中をベラが泳いでおりびっくりしました。
この曲は、雅史君の姿を1番 少年時代 2番 青春時代 3番 長門市仙崎 4番 柳井港での栽培漁業センターでの仕事の様子を歌にしました。1番から3番までは、雅史君の結婚式当時に作ったものです。4番は、頑張っている姿を歌にしました。わずか数分で雅史君の人生を表現しきれるものではありませんが、友人である私が知り得る一部分になるかと思います。それを音楽で表現しました。還暦を過ぎても、彼はまだまだ海の生き物に魅せられています。ステキな生き方ですね。
WEBページ開設後、初挑戦の私のヴォーカルです。では、お楽しみください。