語ることを忘れた時代
作詞 平谷 裕宏
作曲 宮村 克彦
1 楽しそうな顔 悲しそうな顔
みんな乗せているのに
お前はいつも 返事をしない
語ることを忘れた時代
ビルの谷間を黒い排気ガス 残してひたすら走るだけ
ビルの谷間を黒い排気ガス 残してひたすら走るだけ
2 可愛い女の子 いかした男の子
みんな乗せているのに
お前はいつも 返事をしない
語ることを忘れた時代
田舎のあぜ道を白い砂煙 残してひたすら走るだけ
田舎のあぜ道を白い砂煙 残してひたすら走るだけ
3 愉快な晴れの日 さえない雨の日
みんな乗せているのに
お前はいつも 返事をしない
語ることを忘れた時代
人間様にはおかまいなく バスはひたすら走るだけ
人間様にはおかまいなく バスはひたすら走るだけ
(解説)
40年前に作った原曲を元にして作り直しました。当時のメロディーは、軽いタッチのフォークソング的なものでしたが、今回、ロック調に作り直しエレキギターをフィチャーさせながらアレンジをしました。詩は、当時のままです。主人公をバスにしてコミカルに40年前の時代を皮相的に表現しています。当時は、庶民が自家用車を持ち始めた頃で交通手段としてまだまだバスがよく利用された時代でした。機械文明の進化と共に便利な時代となっていきますが、進化と共に人間同士の生のコミュニケーションが希薄なり始めた時代でもありました。人間臭さが失われてきていることを皮肉った詩です。
平成26年2月26日の中国新聞に作詞者の平谷尾道市長さんが掲載されていました。「トップに聞く」コーナーで自転車活用のまちづくりの記事が出ていました。尾道市は、瀬戸内しまなみ海道の本州側の起点として愛媛県今治市を結ぶ7橋の内6橋が自転車で通行できる自転車道が作られているそうです。記事を読むなり40年前に二人で作った「語ることを忘れた時代」をなぜか思い出しました。「語ることを忘れた時代」の中に出てくるバスと自転車に符号するものがあり、曲の作り直しを行いました。自転車を活用して、市の観光振興の活性化に力を入れているところは、彼らしくオリジナリティー溢れており素晴らしい取り組みだなと嬉しく思いました。
「語ることを忘れた時代」は新たに作り直したものですが、今回、私がロック歌手になったつもりで歌っています。ちょっと変な歌い方をしていますが、私は、結構気に入ってます。
では、お楽しみください。