一人ぼっち

作詞 椿 米太郎
補作詞 宮村 克彦
作曲 宮村 克彦

1 窓の隙間から  冷たい風が忍び込む
雨漏りのする部屋で  たった一人ぼっち
友達にしがみついた  友達は自分の道を
    そうさ一人ぼっちなんだ  俺も誰もみんな 
ライ ラライラ ライ People bor n alone
ライ ラライラ ライ People die alone
ライ ラライラ ライ I love the human I love you

    ー〈 間 奏 〉ー

2 暗い部屋の中で  一人ポツンと涙ぐむ
生まれて死ぬまでに  何度別れがあることか
何かをつかみたかった  振りかえれば孤独の影映る
だから勇気をふり起こし  信じよう自分を
深く愛そう君を
前歩こう人生

ー〈エンディング〉ー
I love the human 
I love you

(解説)
 作詞者を簡単に紹介いたします。少々のことではへこたれない強くて優しい男です。
彼は、大島、久賀で小学生からの新聞少年でした。テイラー(洋服仕立て屋)であった家庭で家族を援助する意味において頑張っていました。今の豊かな時代では、とても考えられないことです。しかも、高校生の時、父親を亡くしました。母親一人手で、兄弟皆で家族を支え合っていました。そんな、逆境の中でも少年・青年時代を生き抜いてきたことは、本当にすごいことです。当時の私達の高校のクラスメートは、全員彼を認めていました。苦労をしていても、自分にひがむこともなく傲ることもなく優しい男でした。彼は、高校卒業後、広島市の繁華街、ど真ん中、八丁堀の中国新聞の販売所の2階に一人でいました。それは、新聞配達をしながら奨学金を受けて大学へ行ってたからです。毎朝、寒い日も雨の日も風の強い日も4年間新聞配達を続け、見事に大学を卒業しました。就職も順調で、キリンカンパニーで若くしてキリンレモンの支店長に就任しました。こんなにすごい彼と比べ、当時の私は、なんて弱くて未熟だったのだろうと振りかえることが出来ます。数年前の高校の同窓会で彼に会うことが出来、若い頃の彼の雰囲気のままで嬉しく思いました。
 この曲は、彼が通っていた大学が吉田拓郎の出身ということで、彼は、大学生になってギターを弾き始めており、当時ヒット曲となった「結婚しようよ」を販売所でよく歌っていました。当時、広島市で浪人をしていた私は、若き頃の現尾道市平谷市長さんと同じ浪人生専門の下宿屋にいました。浪人生の身でありながら勉強もせず私は、中国新聞販売所の2階によく遊びに行きました。そして、二人で作り上げた曲が「一人ぼっち」です。詩の中に出てくる「窓の隙間から冷たい風が忍び込む」「雨漏りのする部屋」は、まさしく部屋とは言えない中国新聞販売所の2階の風景です。今回のレコーディングは、椿さんとの18歳の時の唯一の作品なので40年以上経ってからの復活です。詩は、ほぼ当時の原詩のままで一部私が補作しました。
 メロディーは、典型的なAm-G-F-E7を基調にして転調しながら作りました。今回のアレンジに際しては、ハードなロックで熱いサウンドになるように心掛けました。又、歌は、嘆きで表現したため、私が変わった歌い方をしています。もともとフォークソングの爽やかなメロディーでしたが、私が歌うと跡形もなくなってしまいました。これも、私流のロックの歌い方へのチャレンジです。曲は古いのですが、意外と新鮮です。
 では、お楽しみください。