先生1年生
作詞・曲 宮村 克彦
1 子どもの頃から素直と言われ 本当はちょっぴり勝ち気です
田舎で生まれ田舎で育ち だからのんびや屋です
立ち止まることや多少の波風 どうにか今日まで生きてきました
胸ふくらませ24歳の 先生1年生
2 今ステージの壇上にいます 今日は晴れて始業式
いつもと違い口もとこわばって 少し戸惑って
クラスの発表クラスの前に立ち 子どもの視線体に浴びて
「がんばらなくちゃ」ただそれだけの 先生1年生
( 間 奏 )
3 「気をつけ 礼」授業が始まる 教科書めくってゴンギツネ
瞼に浮かぶ 兵十に撃たれ やっと伝わる ゴンの気持ち
まだまだ下手な授業になるけれど 言葉を大切に心で伝え
教え上手にいつかはなるわ 長い道です
4 子どもは子どもで力を出し切って 今を生きてる
ホイッスルなって手足をばたつかせ 記録に挑戦
水泳苦手な子夢中で息して みんなの声援プールを包む
一生懸命に目頭熱くばる 「ガンバレ」つぶやく
( 間 奏 )
5 給食終えて机を下げて 「今日は一緒に遊びましょう」
駆け足急ぎ足広い運動場 晴れた空の下
逃げてはタッチして本気になりました 大粒の汗額に流れ
愛おしい子どもと私がいます 午後の鬼ごっこ
6 「先生 さようなら」子どもが帰る 一息つく間もなくて
会議に打合せ 時間が走る いつもの放課後
知らない事だらけ 不安もあるけれど 先輩先生 経験重ねます
若いんだもの自分に負けないわ 一人前めざします
( 間 奏 )
7 私の選んだ人生だもの 精一杯 自分をためします
教え育てるまだまだ分かりません 学び続けます
私の父母多くの人達 支え包まれ 生きているのね
心に花一輪 奇麗に咲かせ 先生1年生
(エンディング)
(解説)
曲では、小学校の24歳の女性の先生がテーマになっていますが、はじめて先生になる皆さんへの応援歌です。
先生方の大量退職、大量新規採用の時代となってきました。若い先生方の力量の向上は急務です。先生の仕事は、人間が相手だけに先生自身の人間的な生き方が必要です。先生に成り立ての頃は、戸惑うことも多く毎日が一生懸命です。手を抜くと子どもたちは離れていきます。手のかかる子どももいます。しかし、情熱をもって子どもたちにぶつかっていくと子どもたちは先生の期待に応えてくれます。
毎日は、子ども達との授業や生活、教育事務等を覚えていくことの積み重ねです。なんといっても子どもたちの成長を願い教育実践を継続していくと、子ども達と心の共感が生まれます。それは、教師だからこそ味わうことが出来るものです。逆に、子どもに寄り添うことなく、教師の力だけを鼓舞すれば子ども達は離れ、サラリーマン的な教師となり、多忙感だけを覚えストレスを溜め込む毎日となります。だから、人間愛に根ざした人間観や教育観を求め続けなくてはいけません。この曲には、教師を志された若い皆さんが、一日一日の教育実践を確実に積み重ね、子ども達から慕われる先生になって欲しい願いが込めてあります。又、学校での教職人生は、組織的で地道な教育実践の繰り返しです。しかも、毎年個性を持った異なった子ども達と出会います。そこで、教職経験を積み重ねベテランになっても、若かった頃のフレッシュな初心を忘れないで欲しい願いも込めました。
詩は、11番まであったのですが、コンピューターでのレコーディングが350小節までに収めるメッセージが出たので7番までに作り直しました。それでも詩を中心とした結構長い曲となっています。情景が思い浮かぶよう、そして、先生1年生の心模様が思い浮かぶように作詞をしました。
1番 なりたっかった先生にストレートでなれず、苦労をしながらやっと先生に採用された喜び
2番 始業式の体育館で校長先生よりクラスの発表があり、はじめて子ども達に出会った時の高まる思い
3番 4年生の国語教材の普及の名作「ごんぎつね」を通して、授業がもっと上手になりたい思い
4番 水泳記録会で子どもの頑張っている姿を見て心が波打つ人間としての先生
5番 昼休みの遊びを通して、教室では見せない子どもと先生の触れ合い
6番 放課後の多忙な様子から早く一人前の先生になりたい思い
7番 将来に向けて人間として先生として自分の人生を生き抜いていこうとする思い
教育現場の若い先生やベテランの先生のみならず、将来教師を目指す若い皆さん、学校を応援してくださる皆さんにお送りします。私の声より透明感のある声で歌った方が良いかと思いますが、私のダミ声でお許しください。
では、「先生1年生」をお楽しみください。