大和の女(ひと)
作詞曲 宮村 克彦
1 炎舞う 燃ゆる恋 白百合を抱き寄せた神無月
譲れません 優しい貴男 命懸けて待ち続けています
貴男に愛され抱かれて いい女(ひと) 綺麗だと言われたくて
出雲に母との親子旅 縁結び 神様 手を合わせます
古いですか 大和の女(ひと) 沖の白波 心揺れています
(間 奏)
2 弱い女 独り言です 白百合は純潔の証しです
愛の誓い 愛おしい貴男 千年過ぎても待ち続けています
貴男は夢見る旅人 千里の道 一歩に涙しています
日本海 日御碕灯台 海猫啼く 私の恋心で
時代遅れ 大和の女(ひと) 乱れ呼吸 貴男と歩きたい
(解説)
この曲は、日本女性の情感深い愛をテーマとしています。戦後、日本の男性・女性は、大きく変貌してきました。女性の情感も大きく変わってきています。しかしながら、もともと備えている日本人の機微なる感性はまだまだ今日まで引き継がれていると思います。作詞に当たっては、戦前生まれの純情な男女が、タイムバックして今の現代に生きているとどのような愛を育むだろうか。作詞は、勝手に想像しながら悪戦苦闘し、長い時間がかかりました。失礼ながら、供養の祈りもこめ、亡き父母のことを思いながらの作詞ともなっています。
毎年、10月になると全国の神様が出雲大社に集まってくることで、島根県の出雲を場面設定しています。神無月は、全国の神々が出雲に集まってきて、10月には神様はその地にいないと名づけられたようです。登場女性は、大和・奈良・平安・鎌倉時代の昔ながらの女性の機微なる情感を持っている現代女性に設定し、純情な女性の激愛を表現しています。女性は、元来、弱くて強いものです。この曲に登場する現代の女性も弱くて強い女性に設定しています。出雲大社で、こっそりと神様に愛が伝わるようにお願いする女性の機微なる心や情景を心と重ね合わせて表現しています。
日本人は、自然と対話しながら歴史を積み重ねてきた民族です。古来、独自に生まれてきた日本宗教の神道は、農耕文化から発生した自然信仰を基盤としてきました。その後、インド・中国から仏教が伝わってきても、日本の自然観と融合させ、仏教も独自の日本仏教として、神仏融合の信仰を作り上げてきています。明治から第二次世界大戦終戦まで国家神道として政治に利用されてきた悲しい側面もあります。敗戦で国家神道は、解散し宗教法人として伊勢神宮を中心に日本人の心のルーツとして続いています。日本伝統の神道の行事では、新年の初詣から始まり・赤ちゃんの初詣り・七五三・成人式・結婚式・新築・春秋の地域の祭り等と日本人の生活様式にしっかりと根ざし脈々と受け継がれてきています。本作品は、戦後、日本の伝統が失われてきつつある21世紀の現代ですが、日本人のルーツ現代版「大和の女」としてまとめました。
曲調は演歌ですが、泣きのギターをフィーチャーさせているので、ロック演歌フィーリングのアレンジとなっています。また、作詞の言葉だけでなく、演歌独特、詩の行間とメロディーから溢れてくる情感を表現しています。歌は私が歌っていますが、女性が歌えばもっと良い表現になると思われます。
では、歌は下手ですが、私が古典的な女性を想像し作詞・作曲・編曲をしたロック演歌「大和の女」をお楽しみください。