Legendに捧げるバラード
作曲 宮村克彦
(解説)
私達に大きな感動を与えてくれた皆さんよくご存知の葛西紀明選手をテーマにした曲です。ソチオリンピックで個人で銀メダル・団体で銅メダルを取り、彼のくっちゃくのないステキな笑顔を私達に届けくれました。その時、私は、華やかな姿に至るまでの頑張りやきっとあったであろう挫折等を乗り越えた彼に興味を持ちました。一流と言われる人は、自分を信じて失敗や挫折を繰り返しながら人知れず、人並み以上の地道な努力をしています。彼は、体重が1㎏増えると飛行距離が、2~3m落ちるそうです。体重が増えた時は、2~3日断食をしてベスト体重にして試合に臨むそうです。試合に向けての練習にも苦労があったことが推察出来ます。自分の人生を強く生き抜こうとする人は、どのジャンルにおいても不思議と宿命的な試練が与えられます。インターネットで彼のことを調べてみると、若き頃の恋人の交通事故死、大きな怪我、妹の難病、母親の死等胸を引き裂く運命的ないたずらもあったようです。それでも、自分を信じて今日まで試合に出られる体力・気力を維持・向上している姿は素晴らしいと思います。
ソチオリンピックで彼の活躍をテレビで観ていて、なんとなくブルース的なメロディーが浮かんできました。葛西選手をテーマにした私のギターイントゥルメントの作曲・アレンジは、なんとなく出来たメロディーにコードを決めます。コードは、何種類も選択の幅があるので自分のフィーリングに合うコードを選択します。そして、メロディーの最終決定・ギター演奏に入っていきます。作品の仕上がりは、今までの経験上のリズム感・ギターテクニックの基本がどこまで達成されているかがポイントとなります。ソチオリンピックから1年半以上も経ちましたが、作品を仕上げるまでに今日までかかってしまいました。
この曲は、3連譜を基本リズムとしてイントロからエンディングまで流しています。マイナーのメロディーは、所々に8連譜・6連譜・4連譜をを入れ、葛西選手の高度な練習場面や思うようにならないもどかしい思い等をチョーキングを入れながら弾いています。途中、メジャーの部分では、葛西選手が青い大空のゲレンデを鳥のように大きく跳び、記録に挑んでいる姿を表現しました。檜舞台までに至るまで目標に向かって頑張っている姿、又、揺れゆく感情を表現し、私なりに熱いサウンドに仕上げることが出来たと思っています。
ヨーロッパでLegenndと言われ始め、そして日本でも言われるようになった葛西選手。では、いろいろとご意見はあるかと思いますが、まだまだ未熟な演奏です。「Legendに捧げるバラード」をお楽しみください。