黄昏の南の島
作曲 宮村克彦
(解説)
南国の島で海辺にたたずみ、打ち寄せる静かな波のもと、沈む美しい夕陽を見ている場面を想起して作曲・編曲をしました。私は観光でハワイ・グァム島へ行ったことがありますが、異国情緒での浜辺のイメージがぴったりときます。南国の木々のたもとでスローテンポなフラダンスを踊っているダンサーの場面も想起できます。
膨大な情報が溢れるスピード社会の中、人権意識が強く倫理観欠如の何でもありの日本になってしまった昨今ですが、時間がゆっくりと流れていく環境に心をゆだねることとが、今の私達には必要なことかもしれません。静かな時間を過ごすため、山や海で自然の風景にたたずんたり、静かな音楽を聴いたり、恋人と時の流れが止まったように静かに過ごしたり、部屋で一人静かにゆったりしたり、買い物を楽しんだりする等これらは、心に必要なことだと考えます。多忙な時間だけの中で過ごしていると心が曲がる気がします。
ゆったりとしたリズムなので、ギター演奏は簡単なように思いがちですが、どっこい、非常に難しいです。微妙なリズムのずれが起こらないように、苦労をしました。今回は、マイルドな音を出したいと思ったので、ジェフベックのようにピックを使わず、指だけで演奏しました。右の親指だけでも色々な音が出せることも知りました。指で柔らかく弾いたり、強く弾いたり、少しでも弦に触れる部分を変えると微妙に音質が変わり、曲想が随分と変わります。後半、一部、ボトッルネック奏法を取り入れています。雑音が入らないように試みましたが、少し入っていまいました。やや聴きづらい部分もあるかと思いますが、スローテンポの曲を表情豊かに表現できるように努めました。
まだまだ未熟な演奏ですが、ゆったりとしている自分を思い浮かべながら、お楽しみください。